• バイオリンクと漢方の専門薬局

漢方薬Q&A(その2)

Q-20漢方には、どういった種類のものがあるのか?
A→漢方は大きく2つに分けられます。
一つは、薬草の根や葉を乾燥させて小さく刻んだものを煮出して飲む、いわゆる「煎じ薬」です。
もう一つは、工場で大量の煎じ薬を作った後、水分だけを除去し薬効成分のみを顆粒状にしパッケージ詰めした「エキス製剤」です。エキス製剤は、近年の医薬品製造技術の進歩により製造されるようになったものです。

Q-21漢方にはどの様な剤型があるか?、また、どういった特徴があるのか?
A→
①湯剤
煎じ薬を水や酒に浸し、一定時間煎じた後に残りカスを除いて、その煎汁を服用するもので一番自然に近く、効果も良いが煎じる手間があり、飲みにくい味のものもあります。
②散剤
乾燥させた薬草等を粉末にし、混合したもので煎じる手間はいらないが、いちどに大量には服用できません。
③丸剤
粉末にした薬物を蜂蜜などで練って丸くしたものです。小さいため服用しやすく、また携帯や保存に便利であり、よく用いられる剤型です。
④エキス剤
煎じた後に得られる薬草等のエキスをデンプンや乳糖など吸着させて飲みやすくしたものです。エキス剤は、煎じる手間もなく粉末よりも多くの生薬をいちどに服用出来ます。
現在は、このエキス剤が非常に多く用いられ、形によって、錠剤・顆粒・細粒・丸剤・カプセル等に分類されます。
以上のように様々な種類があり手軽に飲みやすいものも沢山ありますので、是非ご相談下さい。

Q-22漢方薬は値段が高いイメージがあるが、実際いくら掛かるのか?
A→症状や程度によってことなりますが、当店では、 エキス顆粒剤9包(3日分)1.140円~1,290円、15包(5日分)1,900円~2,150円くらいになります。

Q-23漢方薬は健康保険が使えるのか?
A→医師の処方による148種類の医療用漢方製剤には健康保険が適応されます。
薬局での漢方薬には健康保険は使えません。但し領収書を保存していれば医薬品として医療費控除の対象にないます。

Q-24漢方薬の名前には、何か意味があるのか?
A→漢方薬の名前は漢字で表現されていて難しく感じますが、それぞれ意味があります。意味が分かると、薬の働きや成分がわかって漢方の知識が深まり楽しいものです。
いくつかの例えお紹介します。
①配合されている主な生薬の名前に由来するもの
・葛根湯(カッコントウ):葛根(クズの根)が主薬で、ほかに6種類の生薬を配合
・麻黄湯(マオウトウ):主薬の麻黄ほか、3種類の生薬からなる
②その効能を表しているもの
・補中益気湯(ホチュウエッキトウ):おなか(中)を補って元気を益す(消化機能を補って元気にする)効果」がある
③上記の①と②を兼ねもの
・半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ):半夏が配合され、心(みぞおちあたり)のモヤモヤ(不安や神経症状)を取り除く(瀉する)効果があります。

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Q-25漢方はいつ頃からあったのか?、また、新しい薬は出て来ないのか?
A→漢方は紀元200年頃、その医学書が中国で編纂され、日本には紀元500年頃伝わり奈良時代には漢方治療が行われていたとされています。
漢方の漢は「中国」を意味し、中国の治療方法という意味を指していますが、後に漢方医学は、日本と中国それぞれで発展し、中国で発展した中国漢方を「中医学」、日本で発展した日本漢方を「和漢」と呼び区別されています。
また、漢方の元となる「生薬」は昔から大きく変化はないものの、数百種類もあるブレンドに加え、日々新しい効能を生みだすブレンドが研究されています。

Q-26ハトムギが入った健康茶は漢方薬なのか?
A→ハトムギは漢方処方にも使う生薬の一つですが、漢方の方剤薬にない組み合わせのものやハトムギを単独で使うものなどは、漢方薬とは言わず「民間薬」と言われています。
民間薬は、生薬の配合の決まりがなく効力の強い生薬も使ってないため効果は健康茶に過大な効果は期待できません。健康な人が飲んでいれば、成人病の予防の一つにはなり得ると思います。

Q-27漢方薬と民間薬は、どう違うのか?
A→漢方薬と民間薬はともに生薬を使用し、何らかの薬効があり、古くから伝統的に使われてきたという点では同じです。しかし、漢方薬は漢方医学の理論に基づいた処方の構成がなされており、原則として二種類以上の生薬が配合され、製法・用法・用量が決まっています。
一方、民間薬は伝承的・家伝的な薬で、概して一種類の生薬からなり、用法・用量も詳細には決まっていません。
最近では多くの民間薬、健康食品が巷間に出回っておりますが、漢方薬はあくまでも薬です。きちんとした医師・薬剤師の指導のもとで服薬するものであることを強調しておきます。

Q-28漢方薬は何から出来ていて、どんなもの?
A→漢方薬は自然界にある植物を中心に動物由来のものや鉱物などの原料にした複数の生薬を組み合わせた薬です。
漢方は西洋医学では病気とみなされないような”なんとなく具が悪い”といった様な「不調対策」も得意分野であります。そして、ひとりひとりの体質やタイプを表す「証」や症状を診断した上で、よりその人の合った漢方を選ぶことが出来ます。そのため同じ症状でも人によって違った漢方が処方されることもあります。

Q-29漢方薬の保管方法は?
A→湿度が低く涼しいところが望ましいです。長く保管されるときは、冷蔵庫に入れていただくのがお勧めです。

Q-30漢方薬は苦くないか?
A→使われる生薬によっては苦いものもあります。特に皮膚病の薬や解毒作用のあるものは苦いものが多いです。

Q-31漢方薬の向いていない病気は?
A→
・がんや腫瘍などの手術が必要な病気
・抗生物質が必要な感染症
・緊急処置の必要が高い病気(急性腎不全、急性心筋梗塞など)

Q-32漢方薬が効く人と効かない人がいるのか?
A→患者さんの症状、体質、精神状態、生活習慣などを総合的に考えた上で、最適な漢方薬を選択しています。ですから、的確な処方がなされていれば、漢方薬は誰にでも効きます。但し、生活習慣を改善し、自然治癒力を回復、強化する努力をして下さい。

Q-33漢方薬はどんな病状や病気に効くのか?、漢方薬の得意分野は?
A →検査では異常がないと言われるような不調対策や体質的なものや、月経に伴って起こる不調やアレルギー、メンタルや皮膚の症状にも効果があります。また、冷え性、肩こり、ニキビや吹き出物、便秘、むくみ、不眠などにも効果的です。また、慢性病だけではなく急性の疾患、特に風邪などに効き目を発揮します。

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Q-34子供にも漢方薬は効くのか?
A→お子さんの場合、アレルギー体質改善のためには漢方薬が最適です。
年齢や体調に合わせてしっかり効くような漢方を選べば、どのようなお子さんにも効果があります。

Q-35西洋医学(新薬)と漢方薬はどう違うのか?
A→西洋医学(新薬)は人工的に化学合成された物質がほとんどで、その多くは一つの成分で構成され強い薬理作用を示します。
一方、漢方薬は原則として2種類以上の天然の生薬で構成されており、多くの成分を含んでいるため一つの漢方薬でいろいろな症状に対応する事が出来ます。

Q-36漢方薬は長く飲まないと効かないのか?、また、どのくらいで効果が表れるのか?
A→効果については、症状や体質により、一概には言えませんが風邪などの初期の場合には1~2回の服用で治る事もあります。
また、その反面、慢性疾患などでは、すぐには効果が表れにくく長期の服用になる事もあります。このように長期の服用になる場合でも服用中の漢方が患者さんに合っているかいないかは2~4週間ぐらいの服用で判断出来ます。また、その場合患者さんの状態を見極めながら、それに合わせて薬を変えていくのも有効な方法です。

Q-37アトピー性皮膚炎や花粉症に漢方薬は効くのか?
A→アトピー性皮膚炎の漢方療法は、かゆみや痛みがひどい時に行う対処療法と症状が落ち着いている時期に体質改善をし、アトピー体質を根本的に治療するという2本立てで行うのが効果的です。
体質改善は漢方薬の得意分野ですから、アトピーに漢方は大変有効です。小さなお子様のアトピー治療には、漢方の苦さが課題です。蜂蜜と一緒に飲むなど工夫をする事で今期よく治療を続ける事が必要です。

Q-38冷え症に効く漢方はあるか?
A→冷え症に効く薬は、まさに漢方しかありません。
冷えにも、末端(手・足)、おなか、外気によるもの(冷房病)など種類があり、それによって処方は変わってきます。
近年は、冷房や冷蔵庫の発達による冷房病や冷たいものの飲み過ぎによる冷えが多くこれには漢方薬の服用と生活習慣の見直しよる体質改善が必要です。

Q-39風邪や急な発熱などに漢方は効くのか?、また風邪には葛根湯が良いのか?
A→漢方は、発熱等の急性の病気にも大変有効です。
西洋医学は抗生物質の発達により急性疾患により大きな効果を上げてきました。しかし、その一方で解熱剤が脳炎を引き起こす副作用が認められたりという事もあり、漢方も多くの医師が風邪に対して漢方薬を使い始めています。また、「風邪の引き始めには葛根湯が効く」と思う人は多いと思いまが、必ずしもそれが万人に効くとは限りません。
風邪にも冷えの病邪による風邪と熱の病邪による風邪など種類があり、葛根湯は身体を温める作用があるので冷えによる風邪には効果的ですが、高熱やのどの痛みが生じる風邪には葛根湯では治りません。そのため風邪の場合も症状をしっかりと見極め症状に見合った漢方を服用する事が必要です。

Q-40友人が飲んで良くなったと聞いたので同じ漢方を飲んでもいいか?
A→このように人に勧められて漢方を飲みたいとおっしゃる方がいますが、漢方治療は個人個人の体質を重んじる医学であり、他の人に良かった事が必ずしも自分に良いという保証はありません。
素人判断で勝手に服用したり、他人の薬を服用したり、また、自分の薬を他人に勧めるのは控えると共に、自分に合った漢方を見極めるためにも服用を希望するときは是非お気軽にご相談下さい。

Q-41煎じ薬とエキス剤はどちらが効くのか?
A→どちらもその効果に大きな差はありません。しかし、煎じ薬は処方中の薬の分量を加減したり、体調に合わせて他の生薬を加えたり調節が出来ます。
一方で、エキス剤は煎じ薬のように加減は出来ませんが煎じ薬に比べ手間がなく楽に長期継続できるため、自分のライフスタイルに合わせ選んでみてはいかがでしょうか。

Q-42効き目がない場合には、飲む量を多くしてもいいのか?
A→医師や薬剤師から漢方薬をもらった場合には、専門的な判断から服用量が決められています。もし効果がない場合には、その専門家に相談してください。
市販のエキス剤には、服用量が記されています。効果がないからといって、相談なく自己判断で量を増やすことはおやめください。

Q-43漢方薬にはいくつもの効果や効能があるがどうしてか?
A→漢方薬は、症状に対してだけ処方されるのではなくその人の体質を考慮し、現在のコンディションや症状の現れ方を総合的に判断して処方が決められます。そのため漢方医学的に「証」が合えば西洋医学的に異なる病名であっても同じ効果が期待出来るという事です。

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Q-44メーカーが違っても同じ名前の漢方薬なら中身は同じか?
A→漢方薬も色々なメーカーが作っています。名前が同じならば中身が同じと思われがちですが、同じ名前の漢方薬でもメーカーによって微妙に内容が異なります。その違いは以下の通りです。
・原料の生薬の生産地と品質の違い
・原料の生薬と加工の違い(すりつぶしたり砕いたりする加工の違い)
・原料を煎じる時の違い(抽出する時の時間や温度などの違い)
・漢方の流派の違い(参考にする古書に記載されている内容の違い)

Q-45通信販売で漢方薬を入手したいがどうか?
A→最近、通信販売や新聞の広告などに「○○によく効く漢方薬」という宣伝文句をよく目にします。中には中国からの輸入品で、日本では薬として認められていない成分が入っているために問題を起こした例もあります。
宣伝のうたい文句に惑わされないようにし、漢方専門の薬局で相談されてあなたに合った漢方薬を選ばれてお飲みになることをお勧めします。

Q-46漢方に副作用はないのか?
A→「漢方は自然のものだから安全」という印象がありますが、残念ながら漢方にも副作用が起こる事はあります。
副作用の例として、胃もたれ・食欲減退・下痢・血圧の上昇などがあります。これらは漢方薬に含まれている成分から考えられる副作用であり、薬を調節することで比較的早期に改善する事が出来ます。
服用後症状が悪化したり、いつもと違う症状がある時は服用を中止してすぐにご相談下さい。

Q-47漢方薬と西洋薬を併用しても副作用は大丈夫か?
A→漢方薬と西洋薬の併用については歴史があさいく、未解明の部分も多くあります。そして、飲み合わせによっては、危険なものがあるのも事実です。
代表的な例としては、西洋薬のインターフェロンと漢方薬の小柴胡湯(ショウサイコトウ)の組み合わせです。これらを併用すると肺胞と肺胞の間に炎症が起こる病気「間質性肺炎」を引き起こしやすくなります。
このように大変な例もあるため現在服用している薬がある方や治療中の方が是非ご相談の上で服用を検討する様にして下さい。

Q-48漢方薬って中国からの薬だと思うが、品質は大丈夫か?
A→歴史を見てみると、西洋医学は江戸時代後期に入ってきたと言われています。いわゆる「鎖国」の状態でしたが、長崎の出島で貿易を行っていたのは、当時のヨーロッパの大国であったオランダです。そのオランダからの薬という意味で、蘭方(当時の西洋薬)と呼ばれていましたが、それに対してすでに存在していた薬には「漢方」という言葉が使われました。ヨーロッパでもハーブを使った治療が昔からありましたが、日本においては漢方薬の方が歴史が長いのです。確かに10世紀頃の中国の国名である「漢」から「漢方」の名前ができていることから、由来は中国ですが、日本独自の発達を遂げています。長い歴史の中で,培ってきた技術で品質には問題ありません。

Q-49漢方薬は読みにくい名前が多くて、本当に自分の体に良いのか不安だ?
A→漢方薬は覚えにくかったり難しい名前のものが多いですが、ご相談頂ければどの様な薬で、どんな効果があるのか等しっかり説明致しますので安心してご相談下さい。

Q-50漢方薬の保存方法はどのようにしたらよいか?
A→漢方薬は直射日光を避け、湿気の少ないところに保管して下さい。
品質を保持するため、また誤用を避けるため、他の容器に入れ替えたりしないようにして下さい。
また、分包(顆粒など)の場合、1包を何回かに分けて服用する際は、切り口を二重に折り曲げるか、セロテープ等でしっかり密封し、冷蔵庫などに保管して、なるべく早く服用して下さい。
Q -44漢方同士なら、飲み合わせても大丈夫か?
A漢方同士の併用も注意が必要です。
漢方は複数の生薬から出来ていましが、複数服用すると重複する成分などがあり、その成分だけ多く摂りすぎてしまう等の心配があります。漢方薬同士でも複数服用する時には、自己判断せず必ずご相談下さい。

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